宝筐院(ほうきょういん)

宝筐院

宝筐院の歴史と見どころ

戦の敵同士が眠る「宝筐院」のちょっといい話

こちら、もとは平安時代に白河天皇の勅によってつくられた善入寺というお寺で、室町幕府2代将軍・足利義詮の塔所として知られています。なぜ宝筐院が義詮の菩提寺になったのかというのが、なかなか心温まる話なんです。

時代は、足利尊氏率いる光明天皇の北朝と、京都を逃れた後醍醐天皇の南朝、日本が二つの朝廷に分かれて戦った南北朝時代。
敵同士であった南朝の大将・楠木正行が戦に敗れ死に、その首が善入寺に埋葬されたことを知った2代将軍足利義詮は、「私が死んだら、正行公と同じ場所で眠らせてもらいたい」と希望しました。宝筐院というのは元々は足利義詮の院号で、死後に善入寺は宝筐院に改められました。

そういう経過があったのもので、境内には足利義詮の墓所と楠木正行の首塚が仲良く並んでいます。
敵同士の大将でも、だからこそ、通じ合うものがあったのでしょうか。それとも足利義詮には楠木正行の最期に何か思うところがあったのでしょうか。

その後お寺として、伽藍などもも長く廃れていたのですが、明治期になってこの話に共感した人々によって菩提寺として復興されました。敵同士の垣根を越えて、二人は今も京都を守っているのかもしれません。

紅葉の時期は混み合う寺院です。
見所は回遊式の庭園で、秋には苔庭と紅葉のコントラストがとても美しく、ポスターやカレンダーにもよく使用されています。新緑の時期や、雨の日も綺麗なので、嵯峨野観光の際はぜひ行ってみてください。大型カメラや三脚の持ち込みは不可なのでご注意を。

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宝筐院の詳細情報、アクセス、地図

 

住所:京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9-1
電話番号:075-861-0610
拝観時間/営業時間:9:00-17:00
拝観料・料金:高校生以上400円

宝筐院への行き方:

バスでアクセス

:市バス28番で「嵯峨釈迦堂前」下車、京都バス71,72,80,87番系統で「嵯峨釈迦堂前」下車すぐ

電車でアクセス

:JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅より徒歩15分

地図